パニック障害の症状
パニック障害やパニック発作は“パニック”という言葉が「緊張で頭がパニックになった」などというように、日常よく使われる言葉であったり、パニック発作が心臓や呼吸器などのからだの病気で起こる発作や、高所恐怖症などのある特定の理由で起きる発作と似ているために、いろいろ誤解されていることが多いようです。
まずは、パニック障害について正しく理解しましょう。
【パニック障害はこんな病気】
では、ここからはパニック障害がどのような病気かを説明していきます。

パニック障害
ここで1つ整理しておかなければならないことは、パニック障害とパニック発作は異なるということです。
パニック障害は病気の名前で、パニック発作はその1つの症候であるということを理解しておかなければなりません。
パニック発作が繰り返し起こり、これに不安や回避行動を伴うものがパニック障害であり、単なるパニック発作だけなら、パニック障害以外の他の精神疾患や、からだの病気でも起こることがあります。

 

 
【具体的にパニック障害にはどのような症状が現れるのでしょうか?】
パニック障害には「パニック発作」・「予期不安」・「広場恐怖」という3つの特徴的な症候があります。
(1)パニック発作
前ぶれのない突然の発作
パニック発作には以下の表のような症状がみられます。
パニック発作ではこれらの症状が何の前ぶれもなく突然起こり、多くの場合10分以内でピークに達し、通常30分以内でおさまります。
<パニック発作の症状>
   
1. 胸がドキドキする
2. 冷汗をかく
3. 身体や手足の震え
4. 呼吸が早くなる、息苦しい
5. 息が詰まる
6. 胸の痛みや不快感
7. 吐き気、腹部の嫌な感じ
8. めまい、頭が軽くなる、ふらつき
9. 非現実感、自分が自分でない感じ
10. おかしくなってしまう、狂うという心配
11. 死の恐怖
12. しびれやうずき感
13. 寒気または、ほてり
   
また、パニック発作の症状はいろいろな言葉で表されています
◆心悸亢進: 「からだ全体がドキンドキンといっている」「心臓をギューとつかまれたようだ」「心臓が今にもはり裂けそう」
◆呼吸困難: 「空気がうすい感じ」「どう呼吸していいか分からない」「喉がえずく(ウッウッと息を出すこと)」「窒息しそう」
◆めまい: 「頭から血の気が引く感じ」「脳の血管が切れたような感じ」「頭を後ろに引っ張られるような感じ」
◆腹部不快感: 「胃をギューとつかまれて引っ張りあげられる」「お腹がふにゃふにゃして変な感じ」
◆非現実感: 「ふわふわとした浮遊感」「頭にもやがかかった感じ」「自分だけ別 の世界にいるような感じ」「自分が自分でないような感じ」「自分をもう1人の自分が外からみている感じ」


 
パニック発作に関する誤解
   
パニック障害でパニック発作が起こった場合、激しい症状がからだに現れているにもかかわらず、病院で検査を受けても、心電図や呼吸機能、血圧などに異常はみつかりません。結果に納得いかず、病院や医師を変えて検査を繰り返す方がいらっしゃいますが、その間に適切な治療を受けないでいると、かえって病状は悪くなっていきます。

パニック障害によるパニック発作は、心臓や呼吸器などの内臓の異常が原因ではないことを理解しましょう。
   
 
(2)予期不安
またあの発作が起きるのでは…、そんな不安がつきまとう
予期不安とは、パニック発作を一度経験して、あの恐ろしい発作がまた起きるのではないかという不安感が生じることです。パニック発作にはこの予期不安が必ず伴い、発作を繰り返すごとにこの不安がさらに強くなっていき症状を悪化させていきます。予期不安にみられる症状には以下のようなものがあります。
<予期不安の主な症状>
   
(1) 発作を起こすこと、それ自体への不安
(2) 発作によって起こる、別のことへの恐怖
  ・死ぬのでは
  ・何かの病気になるのでは
  ・気を失うのでは
  ・事故を起こすのでは(特に車の運転の不安)
  ・誰も助けてくれないのでは
  ・すぐに逃げ出せないのでは(発作が起きた場所から)
  ・取り乱してしまい、人前で恥をかくのでは
  ・倒れたり、吐いたり、失禁したりして、見ぐるしい姿をさらすのでは
  ・他人に迷惑をかけるのでは
   

 

 
(3)広場恐怖
発作が起きて逃げられないと…、そんな思いがあなたの行動をしばる
広場恐怖とは、「広場」を恐がるという意味ではなく、パニック発作を経験した人が“特定の場所や状況”を避けるようになることです。
では、どのような場所や状況を避けるようになるのでしょうか。
 
発作が起きたときにすぐに助けを求められなかったり、逃げ出せないような場所を避けるようになります。
例えば
 
・ 電車やバス(特に急行など停車間隔の長いもの)
・ 人ごみ
・ 地下道
・ 高速道路、高架橋(車の運転の場合)
・ 美容院、歯科
・ 屋外 
などです。
 
過去にパニック発作の起きた場所で、もう一度そこへ行くと発作が起きるのではないかと思い、このような場所を避けるようになります。

 

広場恐怖の症状の強さ
最も軽い場合は、ある特定の1つか2つの状況を避けるだけで、通 勤・通学・買い物もでき生活にはそれほど支障がない、という場合から、重い場合はほとんどの交通 機関は利用できず、近場の最低限必要な場所にしか出かけられないという程度まであります。さらに、ひどくなってくると付き添いなしでは外出できなくなり、ほとんど家に引きこもってしまいひとりでは病院さえ受診できない場合もあります。しかし、なかには広場恐怖の全くない方もいます。